「子どもが言うことを聞かない…」その悩み、”遊び”で解決できるかも

子育て中の親にとって、「子どもが言うことを聞いてくれない」という悩みはとても身近です。特に忙しい朝や疲れがたまる夕方に「早く着替えて!」「片付けなさい!」と何度言っても動いてくれない…そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。

しかし、子どもが親の指示に反応しないのは、単にわがままを言っているわけではありません。むしろ、子どもの発達段階や興味の向きによる自然な反応なのです。

この記事では、心理学的な根拠を交えながら、「子どもが言うことを聞かない時の対処法」として、“日常をゲームに変える”という具体的なアプローチをご紹介します。


目次

子どもが指示に従わないのはなぜ?|発達心理学の視点から見る

まず押さえておきたいのが、子どもはまだ「目的のために行動する力(実行機能)」が未発達であるということ。これは脳の前頭葉がまだ成長段階にあることに関係しており、大人のように「やるべきことを理解し、自分を律して行動する」というのは難しいのです。

また、注意の持続時間が短く、興味を引かれなければ集中が続きません。このような特性を踏まえると、ただ命令口調で「やりなさい」と言っても、子どもが動かないのはある意味当然の反応とも言えます。

ここで役立つのが、「内発的動機づけ」という心理学の概念です。これは外から強制されるよりも、自分から「やりたい」と思ったことに対して、意欲的に取り組む心理の働きです。


遊びを取り入れると、子どもは自発的に動き出す

子どもは本来「遊びの天才」です。何かを“ゲーム”として提示することで、自然と興味がわき、行動に移りやすくなります。これは、単なる工夫ではなく、子どもの脳の特性に合った合理的なアプローチなのです。

特に2〜6歳の子どもは「ごっこ遊び」や「競争遊び」に強く反応します。これを日常の行動と組み合わせることで、指示が“楽しい体験”に変わり、親子のストレスも大幅に減らすことができます。


実例①:「早着替え選手権」で朝の支度がスムーズに

たとえば朝の着替え。時間がない中で「早く!」と急かすと、子どもは逆に反発してしまいがちです。そこで、「今から早着替え選手権を開催します!よーい、スタート!」と、ゲームにしてしまいましょう。

スタートしてから私が着替え始めようとすると急いで着替え始めてくれます。

ポイントは、「タイムを測る」「兄弟と競争する」「好きな音楽を流す」といった要素を加えること。これにより、単調だった支度が“イベント”になり、子ども自身が主体的に動くようになります。


実例②:「おもちゃパトロール作戦」で片付けが習慣化

片付けも同様です。親から「片付けなさい」と言われると、子どもは「面倒くさい」と感じがち。でも、「おもちゃたちが自分の家に帰りたがってるんだって!隊長、お願いします!」と語りかけると、ストーリー性に引き込まれ、楽しく片付けを始めます。

私の子供はクレーンゲームが好きなので、私がクレーン役になったり、子供にクレーン役をやってもらったりして上手くいっています。

このように、擬人化や役割ごっこを取り入れることで、単なる「作業」が「冒険」や「任務」に変わり、継続的な習慣として定着しやすくなります。


ポイントは「親自身が楽しむ」こと

ゲーム化の効果を高めるには、親自身がその時間を楽しむ姿勢を持つことが大切です。無理にテンションを上げる必要はありませんが、子どもが想像の世界に入りやすいような工夫や声かけを意識してみましょう。

また、成功体験を言葉にしてフィードバックすることも効果的です。
「すごい!今日は誰よりも早かったね!」
「この前よりずっと上手に片付けられたね!」

こうした言葉かけが、子どもの自信やモチベーションにつながっていきます。


子育ては“戦い”じゃない。“共に過ごす日々”をどう工夫するか

日常の中でつい出てしまう「早くしなさい」「何回言ったらわかるの?」という言葉。それを「一緒に遊ぼう」「このゲームやってみよう」に変えるだけで、親子の空気感は大きく変わります。

子どもが言うことを聞かないのは、あなたの伝え方が悪いのではありません。ただ、子どもの世界に届く“別の方法”があるということ。その引き出しを少しずつ増やしていけると、子育てはもっと楽しく、創造的なものになっていくはずです。


ゲームの力で子どもの“やる気スイッチ”をONに

子どもが言うことを聞かない時、ただ叱ったり我慢するのではなく、「どうやったら一緒に楽しくできるか?」という視点を持つことが、親自身のセルフマネジメントにもつながります。

家庭の中で、ちょっとしたゲームを取り入れることで、親子の関係もより良くなり、日常のストレスが軽減されていくでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次