忙しい毎日の中で、部下や上司へのイライラ、職場の制度やチームの動きへの不満など、愚痴をこぼしたくなる瞬間は誰にでもありますよね。ですが、そんなときこそ一度立ち止まって、「自分の行動や考え方」を見直してみると、気持ちが整理され、前向きな対策が見えてくることがあります。
管理職として成果を求められる立場であるほど、感情のコントロールや自己マネジメント力は欠かせません。今回は、自分の行動を記録して“見える化”することで、セルフマネジメントを高める習慣を紹介します。
大谷翔平選手に学ぶ「記録の力」
メジャーリーガーの大谷翔平選手は、小学生のころから父親と「野球ノート」を交換し、日々の練習や試合内容を振り返る習慣を続けてきました。どこが良くて、何を改善すべきかを自分の言葉で記録することで、目標意識や自己理解が深まり、着実な成長につながっていたそうです。
これは、ビジネスパーソンにも応用可能な手法です。日々の行動や思考を記録することで、自分の判断や言動の傾向に気づき、修正する力が自然と身につきます。

なぜ「行動の見える化」が有効なのか?
感情に流されず、冷静に判断できる
記録をとることで、出来事を客観視できるようになります。「部下が指示を守らなかった」ではなく、「自分の伝え方は適切だったか?」と視点を変えられるようになります。

無意識のパターンに気づける
忙しさにかまけて、つい時間を無駄にしている場面はありませんか? 記録をすることで、「無意識のSNSチェックが増えている」「昼食後は集中力が落ちやすい」など、自分の行動傾向を把握できます。
小さな成果を実感できる
会議での進行がスムーズだった、部下への声かけがうまくいった——そんな一つひとつの前進も、記録に残すことで「自分はちゃんとやれている」と自信につながります。
どう始める? 続ける?
ステップ1:まずは1日5分から
寝る前にスマホやノートに、以下の4項目を書くだけでもOKです:
- 今日やったこと(業務、対話など)
- 上手くいったこと/改善したいこと
- 感じたこと、気づいたこと
- 明日の目標や準備
ステップ2:週末に振り返る時間を設ける
1週間分をざっと読み返して、「自分は今どこでつまずいているのか」「何が機能しているのか」を振り返ることで、思考が整理され、戦略的な判断ができるようになります。
ステップ3:自分に合ったツールを選ぶ
紙のノート派なら高品質な手帳、デジタル派ならNotionやDaylioなど、自分が続けやすい形式でOK。業務日報や1on1の準備メモと一緒に記録しても良いでしょう。
継続のコツ:完璧を目指さない
毎日書こうと意気込むと続きません。忙しい日は「1行だけ」「思ったことを1つだけ」でも十分です。「継続することに価値がある」と割り切ることが、最も大切です。
自分を整える習慣は、組織にも影響する
管理職は、自分の状態がそのままチームの雰囲気に反映される立場です。自分を整える習慣は、部下への接し方、意思決定の質、全体のパフォーマンスにも影響します。
だからこそ、「愚痴を言いたくなったら、まず自分の行動を見える化する」。このシンプルな習慣が、職場の信頼関係や成果にもつながっていくのです。
まとめ:自分を振り返る5分が、明日のリーダーシップを支える
- 大谷翔平選手も「記録する習慣」で成長を重ねた
- 愚痴を言う前に、自分の行動や伝え方を振り返る
- 小さな記録が、感情整理・行動改善・成長実感を生む
- 結果として、チームにもポジティブな影響をもたらす
「記録する」というシンプルな習慣が、あなたのリーダーシップを一段と深めるカギになります。今日から、まずは5分だけ始めてみませんか?

