管理職の重要な役割の一つに「部下の育成」があります。しかし、近年では「管理職になりたくない」という部下が増えているという声も耳にします。この背景には、責任の重さや労働環境の変化といった要因が挙げられます。
それでもなお、次世代の管理職を育てることは、組織が持続可能であり続けるための極めて重要なポイントです。では、管理職を目指さない部下が多い職場環境で、どのように育成を進めていけばよいのでしょうか?本記事では、部下の強みを活かしながら、自然にリーダーシップを発揮できるよう導く具体的な方法をご紹介します。
教育と育成の違いとは?
実は教育と育成は似ているようで少し違う意味があります。
教育 | 育成 | |
目的 | 知識やスキルを体系的に教えること。 | 部下が自ら考え、成長する力を引き出すこと。 |
方法 | 講義、研修、マニュアルなどを通じて、一定の内容を伝える。 | 実践を通じて経験させ、フィードバックを行う。主体性や判断力を伸ばすことを重視。 |
例 | 業務手順の説明や、新しいシステムの使い方の指導。 | プロジェクトを任せて進めさせる、失敗から学ばせる機会を提供する。 |
教育は、主に「何をすべきか」を明確にするために行われます。
育成は、「どのように成長するか」を支援するプロセスです。
両者は補完的な関係にあり、教育で基礎を教えた後、育成で応用力やリーダーシップを育むことが理想的です。
ですが、職場の教育プログラムが構築されていない場合には、どう育成するかを考え行動してしまった方が良いと思います。
部下の強みを活かした育成の重要性
部下の個性や強みを理解し、それを活かして育成することが重要です。
例えば、以下のようなステップを踏むことで、効果的な育成が可能になります。
日々の業務を通じて、部下が得意とする分野や他者に貢献できるポイントを把握しましょう。
具体的には、
- 問題解決能力が高い
- コミュニケーションが得意
- 技術的なスキルに優れている
といったよ部分を観察します。
普段仕事をしていると把握できることはたくさんあるのではないでしょうか。
部下の強みを活かして、チーム内で役割を与えることは大きな成長につながります。
例えば、得意分野に基づいて研修の講師役を任せたり、小規模プロジェクトのリーダーをお願いしたりすると良いでしょう。
もっとハードルを下げるならば、自分の組織の中でグループワークを行う時間を設け、司会や発表を担ってもらう、といったものでもその人の強みや特性が発揮できる場を設けることが可能です。
強みを発揮した結果について、具体的で建設的なフィードバックを行いましょう。
成功体験を重ねることで、部下の自信が向上し、リーダーシップへの意識が高まります。
部下の強みを把握しにくい場合は?
部下の強みを把握しにくかったり、そもそも本人が自分の強みを把握していない場合は、以下の方法がおすすめです。
自分、他者の強みを伝え合うグループワーク
自分の強みを考え、周りに伝える
他者の強みを考え、相手に伝える
このグループワークは実際に私が行った内容ですが、参加した方からはこんな声を聞けました
部下の間で強みを見つけ合うことで、チーム内の交流も活発になり雰囲気も良くなりました。
管理職の私としては、自分の観察とは違った視点での視点を部下から教えてもらえるので、助かりました。
まとめ
中間管理職として、部下の強みを活かしつつ育成を行うことで、組織全体のスキル向上とチームワークの強化が期待できます。また、リーダーシップを自然に体験できる場を提供することで、部下が管理職という立場に対して前向きな印象を持つきっかけにもなります。
ぜひ、日々のマネジメントにこれらの手法を取り入れてみてください。部下の成長を支えることで、あなた自身の管理職としてのスキルもさらに磨かれるはずです。
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