イチローの魅力は“特別さ”ではなく“当たり前の徹底”にある
イチロー選手といえば、MLB通算3,000本安打という偉業を成し遂げた、日本が誇るレジェンドです。ですが、彼の本質的なすごさは「才能」よりも「継続」と「習慣化」にあります。注目を集めたのは、記録だけではありません。いつも同じ時間に球場入りし、同じ準備を行い、ルーティンを崩さない。その“淡々とした姿勢”こそが、リーダーシップにおける本質的な要素です。
本記事では、イチロー選手の行動から「管理職に必要なセルフマネジメント力」を読み解きます。
やる気に頼らない「習慣の力」
イチローは「やる気に頼っていては安定した成果は出せない」と語ります。彼にとって大切なのは、いかに“当たり前を高いレベルで淡々と続けるか”。朝起きたら歯を磨くのと同じように、練習し、調整し、準備を整える。
これは管理職にも通じます。忙しい日常の中で「今日はやる気が出ないから」「気が乗らないから」といって対応を先延ばしにしていては、チームは安定しません。むしろ、“仕組み化”と“淡々とやる力”こそが求められます。
【実践ヒント】
- 朝イチでメール確認・進捗確認など「決まった型」を作る
- タスクを“気分”ではなく“時間と順番”で処理する習慣に変える
感情を乱さず、自分を保つ
イチローは「一喜一憂しない」「常にフラットでいることが自分の力を出す秘訣」とも語っています。スランプのときも、絶好調のときも、彼の表情や振る舞いはほとんど変わりません。
これは、感情の起伏が激しくなりやすい管理職にも重要な要素です。現場でのトラブル、上司からのプレッシャー、部下の不調──それらに感情で反応していては、冷静な判断ができません。淡々と“自分の軸”を持ち続けることが、信頼を生むのです。
【実践ヒント】
- ルーティンや呼吸法で自分の気持ちを整える
- 感情が動いたときは即反応せず「5秒待つ」をルール化
小さな積み重ねが、大きな成果を生む
イチローの練習は、見ている側からすると「地味」に見えます。派手な打撃練習より、フォームの確認やストレッチ、軽い素振り──それらをコツコツと繰り返す。
管理職としても「派手な成果」ばかり追うのではなく、「目立たないけど大事なこと」を淡々とこなすことがチームの基盤になります。日々の面談、記録、振り返り──それを丁寧に続ける姿勢が、部下の信頼を得る最大の要素となります。
【実践ヒント】
- 「成果が見えにくいこと」ほどチェックリスト化して習慣にする
- 毎日の「10分内省タイム」を取り入れて、積み重ねを意識化
淡々とやることこそ、最も強い
イチローの強さは、誰にも見えない時間で自分を律し続けてきた点にあります。華やかな舞台に立つ彼の姿の裏には、圧倒的なまでの“地味な継続”がありました。
管理職もまた、「感情ではなく構造で動く」「派手さより安定感」「見えない努力を積み上げる」ことが求められます。淡々とやる。それを“退屈な我慢”ではなく、“自分の在り方”として捉えることで、強いリーダーシップは育ちます。
あなたの淡々力、今こそ磨いてみませんか?
