「おはようございます」
返ってこない。
これが1回なら「聞こえなかっただけ」で済む。でも毎日続くと、さすがに気になってくる。もしかして、嫌われているのか。何かしたのか——と自問自答が始まる。
職場での「無視」は、見えにくいが確かに存在するハラスメントの一形態だ。今回は、この「静かな攻撃」にどう向き合うかを書いてみたい。
無視は「攻撃」だと認識する
まず、職場での継続的な無視は「攻撃」だと理解することが大切だ。
殴るわけでも怒鳴るわけでもない。だから「これくらい我慢しなきゃ」と思いがちだが、人が社会的に無視されるとき、脳内では身体的な痛みと同様の領域が活性化するという研究がある。心理的なダメージは小さくない。
「気にしすぎ」じゃない。それは確かに苦しいことだ、と自分に言ってあげることが最初の一歩だ。
「無視する側」の心理を理解する
無視してくる人は、何らかの理由でそういう行動を取っている。
あなたへの個人的な反感、職場内の派閥や空気への同調、自分の不安や未熟さの表れ——いずれにせよ、「相手の問題」であることがほとんどだ。
「自分に原因がある」と思い込みすぎると消耗する。相手の行動の責任は相手にある、という視点を持つことが、自分を守る上で重要だ。
「挨拶をやめる」は最悪の選択
「どうせ無視されるから、もう挨拶しない」という気持ちになるのはわかる。でも、これは自分を不利な立場に置く選択だ。
挨拶は「自分のため」にするものでもある。挨拶をやめると、無視する側と同じレベルに降りることになり、職場での自分の立場を自分で下げることになる。
返ってこなくても、明るく挨拶を続ける。これは「相手のため」ではなく「自分の矜持のため」だ。
記録を取り、第三者に相談する
無視が明らかに故意で、業務に支障が出ているレベルなら、記録を取ることをすすめる。
「いつ、誰に、何をした・されたか」をメモしておく。いざ相談するときに、感情的な訴えではなく事実ベースで話せると、対応してもらいやすくなる。
上司や人事、または外部の相談窓口(職場のハラスメント相談窓口、労働局など)への相談も選択肢だ。一人で抱え込まないことが大切だ。
「無視されても揺れない自分」を作る
最終的には、他者の態度に自分の精神状態を左右されないことが理想だ。これはすぐにできることではないが、「職場の外に自分の居場所を持つ」「職場以外で信頼できる関係を作る」ことで、少しずつ基盤が強くなる。
無視される職場にいる人に伝えたい。それはあなたの価値の問題ではない。その職場の問題だ。
※この記事は個人の経験と見解に基づくものです。深刻なハラスメントは専門機関への相談をおすすめします。