誰かに意地悪をされているわけじゃない。でも、なんとなく輪に入れない。昼休みも一人でいることが多い。業務の相談をする相手がいない。
職場での「孤立」は、いじめのような明確な加害がなくても起きる。そして当事者には、静かにじわじわと消耗していく。
私が職場で孤立感を感じた経験から、どうやって少しずつ関係を取り戻したかを書いてみたい。
「孤立」の種類を見極める
まず、自分が感じている孤立が何種類のものかを整理することが大切だ。
①自分が望んでいる孤立——業務が忙しい、ひとりの時間が好き、仕事と割り切っている。これは問題じゃない。
②関係構築のきっかけがない孤立——仲良くなりたいけど、どう近づけばいいかわからない。
③排除・無視されている孤立——明らかに輪から外されている、情報が回ってこない。
①なら問題なし。②なら次のステップが使える。③なら上司や人事への相談を視野に入れる必要がある。
「小さな接触」を増やす
孤立を感じているとき、「突然深い関係を作ろう」とすると空回りする。
効果的なのは「小さな接触」を増やすことだ。廊下ですれ違ったときに一言「お疲れ様です」と言う。業務の確認を口頭でしてみる。それだけでいい。
心理学では「単純接触効果」と言われるが、接触の回数が増えると、自然と親近感が生まれやすくなる。深い会話よりも、まず「顔が見える回数」を増やすことが先だ。
「何かを頼む」は最強のきっかけ
意外なことに、「何かをお願いする」ことは関係構築のきっかけとして非常に有効だ。
「このシステムの使い方、教えてもらえますか?」「〇〇さんってこのフロアに詳しいですよね、ちょっと聞いてもいいですか?」
人は「頼られる」と悪い気がしない。そして「助けた経験」が好意につながることがある。これは「ベンジャミン・フランクリン効果」とも言われる心理現象だ。
「自分から変わる」は疲れるときもある
ここまで書いてきたが、正直なことも言う。
「孤立を解決しろ」と言われ続けるのはきつい。動けないほど消耗しているときに「もっと話しかけよう」と言われても、それ自体がしんどい。
そういうときは、「今の職場で無理に関係を作ること」より「この職場でいい関係が作れるかどうか」を問い直す方が大事かもしれない。
人間関係が合わない職場を変える選択肢もある。孤立を「自分の問題」だけにしない視点を持ってほしい。
※この記事は個人の経験と見解に基づくものです。職場環境によって状況は異なります。