「育てているつもりなのに、全然成長しない」と感じることがある。
指導している、フィードバックしている、研修にも行かせている——それでも変化が見えない。そういうとき、「このスタッフは成長できないのか」という結論に向かいそうになる。
でも少し立ち止まって考えたい。「成長が見えない」のは、本当にスタッフの問題なのか。
「成長」を何で測っているか
「成長が見えない」というとき、何を基準にしているかを確認したい。
自分が若い頃の成長スピードを基準にしていないか。「半年でここまでできるようになってほしい」という期待値が、そもそも高すぎないか。目に見える行動の変化だけを「成長」と定義していて、思考や意識の変化を見落としていないか。
成長は線形ではない。長い停滞期の後に急に変化することがある。「見えない成長」が積み重なっていることも多い。
「育てている」つもりで「追い詰めている」ことがある
熱心な管理職ほど、指導の密度が上がりやすい。でも指導が多すぎると、スタッフは「何をやっても次の指摘が来る」という感覚になる。それが「やってみよう」という主体性を奪うことがある。
「育てている」が「監視されている」に変わっていないか。「フィードバックしている」が「常に否定されている」に変わっていないか——相手の受け取り方を時々確認することが必要だ。
「成長を促す問いかけ」に変える
育成でよく使われる方法の一つに、「答えを教えるより、問いかける」というアプローチがある。
「こうしてください」ではなく「どうすればいいと思う?」。「それは間違っている」ではなく「どうしてそうしようと思った?」。答えを与える指導より、考えさせる問いかけの方が、長期的な成長を促す。
最初は時間がかかる。でも「自分で考えて動く経験」を積んだスタッフは、徐々に自立して動けるようになる。
「成長のペース」は人によって違う
14年間、様々なスタッフを見てきた中で実感することがある。「早く伸びる人」と「ゆっくり伸びる人」がいる。早く伸びる人が長期的に優秀かというと、そうとも言えない。
「今は見えない」からといって、「成長していない」ではない。管理職として「このスタッフが成長できる環境を作っているか」という問いを持ち続けることが、育成の本質だと思っている。
※この記事は個人の経験と見解に基づくものです。