どの職場にも、ひとりはいる。
長年その職場にいて、影響力があって、新しいことを嫌い、近寄りがたい空気を出しているベテランスタッフ。いわゆる「お局様」と呼ばれる存在だ。
私も医療介護の現場で何人かのそういう方と一緒に働いてきた。最初は苦手意識しかなかったが、付き合い方のコツを掴んでから、関係が少しずつ変わった。今日はその経験を書いてみる。
「お局様」が生まれる理由を理解する
まず、「なぜそういう人が生まれるのか」を考えると、少し見方が変わる。
長年同じ職場にいるということは、その人なりの努力と歴史がある。でもその努力が評価されなかったり、後から来た人に追い抜かれたりすることで、防衛的になるケースが多い。
「怖い」「意地悪」と見える行動の裏に、「認められたい」「軽く見られたくない」という欲求があることが多い。これを知るだけで、少し距離の取り方が変わる。
攻略の基本は「敬意と承認」
お局様との関係を改善する上で、私が一番効果的だと感じたのは「敬意を示す」ことだった。
「○○さんは長くいらっしゃるんですね、この職場のことをよくご存知なんですね」と素直に伝える。「この業務、どうやって覚えましたか?」と教えを請う。
人は「自分の経験が価値あるものとして認められた」と感じると、驚くほど態度が柔らかくなることがある。
「媚びる」のではなく「尊重する」
勘違いしてほしくないのは、これは「媚びる」ことではない、ということだ。
媚びるのは自分を犠牲にすること。尊重するのは相手の経験や立場を認めること。
私は相手に同意できないことには同意しなかった。でも、相手の経験や感情に対しては「そうだったんですね」と受け止めた。その線引きを持つことが、自分を守りながら関係を保つコツだった。
どうしても改善しない場合は「距離を取る技術」を使う
相手への働きかけが効かないこともある。そのときは「距離を取る」ことに集中する。
必要最低限の接点のみにする。感情的なやり取りには乗らない。第三者(上司など)を挟む。
お局様との関係を「改善しなければならない」と思い込むと消耗する。「そういう人もいる」と割り切って、エネルギーを使う場所を自分で選ぶことも立派な戦略だ。
長い目で見ると「味方」になることもある
面白いことに、一度うまく関係を築いたお局様は、強力な味方になることがある。
職場での影響力があるぶん、その人が「あの人はいい人だよ」と思ってくれると、職場全体の自分への見方が変わる。「難しい人と上手くやれている」という実績は、管理職としての信頼にもつながる。
お局様との関係は、確かに消耗する。でも、避けてばかりでは解決しない。敬意を持って、距離感を保ちながら、少しずつ関係を作っていく——それが現実的な答えだと私は思っている。
※この記事は個人の経験と見解に基づくものです。職場環境によって状況は異なります。