管理職になってから、有給休暇の取得日数が激減した。
理由はいくつかある。「自分がいないとチームが回らない」という思い込み。休むと「管理職なのに」と思われそうな雰囲気。そもそも休みたいと思う余裕すらなかった時期もある。
でも年間の有給消化日数が一桁台が続いて、さすがに「これは持続できない」と思った。少しずつ変えていったプロセスを書く。
「自分がいないと回らない」は本当か
まず、この思い込みを疑うところから始めた。
「自分がいないと回らないチーム」は、見方を変えると「自分がいないと何もできないチームを作ってしまっている」ということでもある。管理職の責任を果たせているか、という問いでもある。
試しに1日休んでみた。帰ってきたら、特に何も起きていなかった。そのことが少し、悔しくもあり、安心でもあった。「自分がいなくても大丈夫」が分かってから、休むことへの心理的なハードルが下がった。
「休む準備」を仕組みにした
休みにくい理由の一つは、「急に休むと周りに迷惑がかかる」という感覚だった。だから、休む準備を仕組み化することにした。
具体的には「自分がいない日の引き継ぎシート」を作った。よくある問い合わせと回答、緊急連絡先、判断に迷ったときの優先基準——これを一枚にまとめた。最初は時間がかかったが、一度作ると毎回使える。
このシートがあることで「あなたがいないとき困る」という声が減った。そして自分が休む前の準備時間も短くなった。
「休暇の予定を先に入れる」に変えた
以前は「仕事が落ち着いたら休もう」と思っていた。でも仕事が落ち着く日は来ない。
発想を逆にした。先にカレンダーに「この日は休む」を入れる。そして、その日に向けて仕事の段取りをつける。
最初は月1日から始めた。「この日は休む」と決めると、逆算して仕事の優先順位をつけるようになった。「休みに向けて仕事を整える」という動き方に変わった。
「休むための説明」をやめた
有給休暇を取るとき、理由を詳しく説明していた時期がある。「〇〇があって……」「家族の都合で……」。でも有給は権利であり、理由を詳しく説明する義務はない。
「〇日に休暇をいただきます」と言うだけにした。それでも何か聞かれれば「用事があります」と答えるだけ。最初は少し緊張したが、誰も特に気にしなかった。自分が「休むことへの申し訳なさ」を大げさに感じすぎていただけだった。
休んだ後の「職場の空気」が変わった
管理職が休まないと、スタッフも休みにくい雰囲気が生まれる。上が動かないと、下は動けない——これは日本の職場でよく起きることだ。
私が有給を取るようになってから、スタッフからの有給申請が増えた気がする。「管理職でも取るんだ」という空気が、少し広がったのかもしれない。
休みやすいチームを作ることも、管理職の仕事の一部だ。そのためにも、まず自分が休む。シンプルだが、これが一番効いた。
※この記事は個人の経験と見解に基づくものです。