管理職として職場を動かしながら、家に帰れば親として子どもと向き合う。
どちらも「手を抜けない」と感じていた時期がある。職場では「しっかりした管理職」でいなければ。家では「ちゃんとした親」でいなければ。二つの「ならなければ」が重なったとき、どちらも中途半端に感じる自己嫌悪が生まれた。
その消耗を減らしてくれたのは、「完璧を目指すのをやめる」という選択だった。
「両立」というイメージ自体を見直す
「仕事と子育ての両立」というとき、「どちらも100%こなす」というイメージが浮かびやすい。でも現実的に、どちらも100%は不可能だ。
「両立」とは「どちらも完璧にこなすこと」ではなく、「どちらも続けられる状態を保つこと」だと今は思っている。完璧にやろうとするから消耗する。続けられる状態を保つ工夫をすることが、本当の両立だ。
職場で「帰りやすい環境」を作ることも管理職の仕事
子育て中の管理職が悩むのは、「定時で帰ることへの申し訳なさ」だ。チームに残業させて自分だけ帰ることへの罪悪感。
でも管理職が「時間通りに帰れる職場」を作ることは、子育て中のスタッフにとっても、将来子育てをするスタッフにとっても、大切なことだ。「管理職でも定時で帰れる」という事実が、チームの文化を作る。
「帰れない理由」を改善することも、管理職の仕事の一部だ。業務の効率化、役割分担の明確化、不要な会議の削減——こういった取り組みは、子育て中の自分のためでもあるし、チーム全体のためでもある。
「完全には無理」を認めてから楽になった
子どもの行事に行けない日がある。夕食が手抜きになる日がある。残業で子どもの寝顔しか見られない日がある。
それが「ダメな親」の証拠ではない。そういう日があっても、子どもとの時間の密度や関係性は、量だけでは決まらない。
「できない日があっても、続けること」が両立だと受け入れてから、一日うまくいかなかったときの落ち込みが減った。完璧な日を目指すより、続けられる形を探すことに意識が向いた。
「助けてもらうこと」を覚える
両立が難しくなったとき、一人で解決しようとしていた。職場では「できる管理職」として、家では「しっかりした親」として、助けを求めることを避けていた。
変わったのは、「助けを求めることを覚えた」ときだ。職場では役割を分担する。家では配偶者や実家に頼る。ファミリーサポートや病児保育などの外部サービスを使う。
「一人でやること」が美徳に見えるが、持続可能な両立のためには「チームで育てる」という発想に切り替えることが必要だった。
しんどいのは、頑張っているからだ。でもその頑張りを「正しい場所に向ける」ことで、少し楽になれる。
※この記事は個人の経験と見解に基づくものです。