「もっと早く報告してくれれば」
管理職として、こう思ったことは何度もある。でも逆に、若い頃の私自身も「報告するタイミングがわからない」「怒られそうで言い出せない」と感じていた経験がある。
報連相(報告・連絡・相談)は、社会人の基本と言われる。でもその「基本」が意外と難しい。今回は、その根本を掘り下げてみたい。
報連相が苦手な本当の理由
「やり方を知らない」ケースは少ない。多くの場合、報連相が滞る理由は「感情的なハードル」にある。
・怒られるのが怖い——失敗や問題を報告したとき、叱責されると予想している。
・もう少し解決してから報告しようとする——自分で何とかしてから言おう、という責任感。これが「遅報」を生む。
・「こんなこと報告していいのか」と迷う——報告の基準がわからない。
「悪い報告ほど早く」の原則
報連相の最重要原則は「悪いことほど早く報告する」だ。
問題が小さいうちなら対処しやすい。でも隠したり後回しにしたりすると、問題は大きくなる。「早く言えば助けられたのに」というケースが、医療現場では特に多い。
管理職の立場から言うと、「早めに教えてくれた悪い報告」より「遅れて発覚した問題」の方がはるかに困る。早い報告には感謝しかない。
「報告の型」を持つ
何を言えばいいかわからなくて報告できないなら、「型」を使うといい。
「〇〇について報告があります(What)。〇〇という状況です(状況)。〇〇が問題だと思います(課題)。〇〇しようと思っていますが確認をお願いします(相談)」
この型に当てはめると、頭の中が整理されて話しやすくなる。特に緊急時は、SBAR(状況・背景・評価・提案)という型が医療現場では有名だ。
「報告しやすい環境」は上司が作る
管理職向けに一言加えると、報連相が活発なチームは「報告しやすい空気」が作られている。
報告に対していつも怒っていたら、次から報告が来なくなる。「報告してくれてありがとう」「教えてくれて助かった」という言葉が、次の報告を引き出す。
報連相は、個人のスキルより「組織の文化」で決まる部分が大きい。管理職こそ、その文化の担い手だと私は思っている。
※この記事は個人の経験と見解に基づくものです。