職場で涙が出そうになった、あるいは出てしまった経験がある人は少なくないと思う。
怒られた後、理不尽な状況の中で、誰かに気持ちを汲んでもらえたとき、あるいは疲れが限界に達したとき——感情が溢れてしまう瞬間は、突然やってくる。
「職場で泣くなんて恥ずかしい」「感情的だと思われる」——そう思って自分を責める人もいる。でも涙は、弱さの証拠ではない。
涙が出るとき、何が起きているか
涙は感情的な過負荷の「リリースバルブ」だと考えると理解しやすい。蓄積されたストレスや感情が、許容量を超えたときに、身体が自動的に放出しようとする反応だ。
「この程度で泣くなんて」と思う必要はない。許容量には個人差がある。また、疲れているとき、体調が悪いとき、睡眠不足のときは、普段より感情が溢れやすくなる。これは身体の仕組みだ。
職場で涙が出そうになったときの対処
突然涙が出そうになったとき、その場で対処できることがある。
一時的にその場を離れる
「少し失礼します」とトイレや別室に移動する。その場を離れるだけで、感情の温度が少し下がることがある。
上を向いて深呼吸する
涙腺は顔を上向きにすると物理的に出にくくなる。深呼吸で自律神経を落ち着かせることも有効だ。
「今は感情を一時保留する」と決める
「この感情は帰ってから処理する」と自分に言い聞かせる。職場での対処と、感情の解放を分けることで、今この場を乗り越えやすくなる。
泣いてしまったあとの自分への接し方
職場で泣いてしまったあと、多くの人は「みっともなかった」「弱く見られた」と自己批判する。
でも少し立ち止まって考えてほしいのは、「なぜその瞬間に涙が出るほど追い詰められていたか」だ。涙は結果であって、問題の本質はその前の状態だ。
「恥ずかしかった」で終わらせるより、「それだけ消耗していたんだ」という事実を受け止めることが、次の対処につながる。
管理職として「泣いているスタッフ」に接するとき
スタッフが職場で泣いているとき、管理職としてどう接するか。
まず「泣き止ませようとしない」ことが大切だ。「大丈夫、泣かないで」という言葉は、涙を止めるよりも感情を抑え込ませることになる。
「少し話を聞かせてもらえますか」「今は休んでいていいですよ」——涙が落ち着いてから、ゆっくり話す場を作る。解決しようとするより先に、「受け止めてもらえた」という感覚を作ることが先だ。
「泣ける自分」を許す
感情を持つことは人間として当然だ。特に医療・介護の仕事は、感情を使う仕事だ。感情が溢れることは、その仕事に真剣に向き合っている証拠でもある。
泣いた自分を責めないでほしい。それより「なぜそこまで追い詰められていたか」を、少し丁寧に見てほしい。涙はサインだ。無視するには、あまりにも正直すぎる。
※この記事は個人の経験と見解に基づくものです。