「またミスをした」という状況が繰り返されるとき、管理職としてどう対応するか。
同じミスが続くスタッフに「なぜ同じことを繰り返すのか」と言いたくなる気持ちは分かる。でも「責める」だけでは、ミスは減らない。むしろ「また怒られる」という恐怖が、新たなミスを生むことがある。
ミスが多いスタッフへの指導で、まず確認すべきことがある。
確認1:「なぜミスが起きているか」の原因を分類する
ミスには複数の種類がある。同じ「ミスが多い」でも、原因によって対処が違う。
知識・技術の不足
そもそもやり方が分かっていない、正しい手順を知らない。この場合は指導・教育で解決できる。
注意・集中の問題
知識はあるが確認を怠る、焦りや疲れで集中できない。チェックリストの導入、業務量の見直しが有効な場合がある。
環境・仕組みの問題
ミスが起きやすい業務フロー、情報の伝達が不明確、過剰な業務量——個人の問題ではなく、仕組みの問題であることも多い。
体調・精神的な問題
睡眠不足、プライベートな問題、精神的な消耗——体調や状態の問題が背景にある場合は、指導よりサポートが先だ。
確認2:「どんな場面でミスが多いか」を観察する
ミスが多いスタッフを「全般的に注意力がない」と判断する前に、「どんな場面でミスが多いか」を観察する。
忙しい時間帯に集中しているのか。特定の業務だけに多いのか。特定の人と働いているときに多いのか。これが分かると、「このスタッフが苦手な場面」が見えてくる。その場面への対処を一緒に考えることで、ミスが減ることがある。
確認3:「本人はどう感じているか」を聞く
「またミスしてしまった」ということを、本人が一番よく分かっている場合が多い。自分でも「なぜこうなるのか分からない」「どうしたらいいか分からない」という状態のことがある。
「最近ミスが続いているね、本人はどう感じている?」という問いかけから、本人の視点を聞く。そこから「自分では何が原因だと思う?」「どうしたら改善できると思う?」と一緒に考えるプロセスが、指導の質を変える。
「ミスをなくす」より「ミスが起きにくい仕組みを作る」
人はミスをする生き物だ。「絶対にミスするな」という指導は、恐怖を生むだけで根本解決にならない。
「ミスが起きにくい環境を作る」という発想に切り替えることが、長期的にチーム全体のミスを減らす。チェックリストの整備、ダブルチェックの仕組み、わかりやすい手順書——これらは特定のスタッフへの対策ではなく、チーム全体の安全性を上げる取り組みだ。
個人を責める指導より、仕組みを改善する指導が、管理職としてより効果的なアプローチだ。
※この記事は個人の経験と見解に基づくものです。