「自分が管理職になっていいのだろうか」と思ったことがある。
なぜ自分が選ばれたのか、本当は分からない。自分より優秀なスタッフはいた。経験が豊富な人もいた。それでも「管理職をやってみないか」と言われた。
しばらく経って、「なぜ自分だったのか」を振り返ることで、自分の強みに気づいた経験がある。
「技術が一番」ではなく「チームをつなぐ人」
管理職として求められる資質は、「専門技術の高さ」だけではない。むしろ、専門技術が一番高いスタッフが、最良の管理職になるとは限らない。
管理職に求められることの多くは、「人をつなぐ力」だ。スタッフ間の調整、上下のコミュニケーション、チームの空気を整えること——これらは専門技術とは別のスキルだ。
「なぜ自分だったのか」を考えたとき、浮かんだのは「話を聞ける人間だ」という評価だった。技術が飛び抜けていたわけではない。でも誰かが困ったとき、話を聞きに行っていた。それが「この人なら任せられる」につながっていたのかもしれない。
「強みは日常の中に隠れている」
自分の強みは、自分では気づきにくい。「自分がやっていること」は「当たり前」に感じるからだ。
「あなたって、こういうとき○○してくれるよね」と言われたことを思い出してほしい。「いつも気づいてくれる」「話しかけやすい」「整理するのが上手い」「落ち着いて対応してくれる」——こういった言葉の中に、自分の強みが隠れていることが多い。
「自分の強み」を知ることが管理職を楽にする
管理職になると「できていないこと」が目につきやすくなる。部下をうまく育てられない、判断が遅い、感情のコントロールが難しい——弱点のリストが増えていく。
でも管理職としての機能は、弱点を全て克服することではない。自分の強みを意識的に発揮しながら、弱い部分は周囲に補ってもらうことで、チームは動く。
「自分の強みは何か」を知ると、「自分らしい管理職のあり方」が見えてくる。誰かのコピーではなく、自分の形でチームに貢献できる道が見えてくる。
「なぜ管理職になったか」を問い直す
管理職として消耗が続いているとき、「なぜ自分はこの役割にいるのか」を問い直すことが、意外と力になる。
「選ばれた理由があった」「自分には役割がある」——それを思い出すことで、「なぜこんなに消耗しているのか」だけが頭を占領する状態から、少し違う視点が生まれる。
自分の強みを知ることは、自己満足ではない。それが、チームへの貢献の仕方を明確にする。
※この記事は個人の経験と見解に基づくものです。